2020年03月02日 (月)

今日のお題:西田彰一先生より『躍動する「国体」:筧克彦の思想と活動』(ミネルヴァ書房、2020年02月20日)をご恵贈賜る。

西田彰一先生より『躍動する「国体」:筧克彦の思想と活動』(ミネルヴァ書房、2020年02月20日)をご恵贈賜る。ご研鑽が美事に結実したものとお喜び申し上げる次第でございます。

日頃「国体論」を云々しておる身でありながら、まことに恐縮ながら筧克彦についてはまことに不勉強でございまして、正直、講義の前に柏手を打つというお話ばかり頭に残っており、なんとも紅顔の至り。

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改めて彼の思想遍歴をみてみると、留学してディルタイなりに影響を受けたというのは存じ上げていたのですが、神道に流れ込む前に、一度、仏教を経由しているんですな。

筧克彦『法理学 第1巻 仏教哲理』有斐閣、1911年
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/817421?tocOpened=1

体系性から言えば「仏教哲理」に惹かれるのは分らなくもないのですが、結局、思想的な伸びしろか無かったんですかね(個人的な感想です)、彼は「古神道」に入っていくわけです。

そこからの彼は、まことに自由に羽ばたいていくわけですが、柳田国男や折口信夫のような当時の神道研究をやっていた人間にとっては、ずいぶんと困ったものだと思われていたそうで、そりゃそうだろうなぁと思う次第。

しかし、『仏教哲理』は異様に真面目に書いている感じがします。まぁ、最終的な結論は、「最高の大乗仏教である日本仏教こそ最強」というところに至るわけでありますが。

参考文献一覧を拝見すると、この時期において、ここまでは手に入れることができるのだというのが分って仲々に面白いです。

「余録 仏教哲理参考書」
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/817421/377

【目次】

はしがき

序章 戦前における国体論の展開と筧克彦
 1 国体論研究の現状と課題
 2 筧克彦の略歴と生前の評価
 3 筧克彦に関する先行研究
 4 筧克彦を論じることの意味

《第�吃堯々饌了彖曚砲い燭詁残�》
第一章 心理、生命、そして宗教
 1 初期の思想を論じる理由
 2 筧克彦の思想の古層
 3 心理主義への関心
 4 心理主義と宗教
 5 教え子たちへの影響の広がり
 6 心のつながりによる国家統治の試み

第二章 「古神道」の形成と天皇機関説論争
 1 「古神道」「神ながらの道」と天皇機関説論争
 2 仏教から「古神道」へ
 3 「古神道」論
 4 天皇機関説論争と筧克彦
 5 宗教的修養による国家の統治

《第�局堯々駝蔚飢修了遒漾�
第三章 『神ながらの道』頒布と皇学会
 1 貞明皇后との関わりと皇学の展開
 2 「神ながらの道」御進講
 3 貞明皇后との信頼関係の構築
 4 『皇学会雑誌 神ながら』
 5 世界旅行
 6 『神ながらの道』から国民の教化へ

第四章 神社行政へのはたらきかけ
 1 神社行政への関心
 2 筧克彦の神社行政論
 3 神社制度調査会における筧克彦
 4 教学刷新評議会と神祇府構想
 5 「国教」確立への意志

《第�敬堯々饌了彖曚亮汰�と展開》
第五章 〈やまとばたらき〉の実践と普及
 1 国体の体験と身体技法
 2 筧克彦と身体技法の関係
 3 〈やまとばたらき〉
 4 〈やまとばたらき〉とその広まり
 5 一体感の高揚と集団農場——加藤完治と〈やまとばたらき〉
 6 精神体操としての〈やまとばたらき〉

第六章 「誓の御柱」の建設とその広がり
 1 「誓の御柱」建設運動
 2 「誓の御柱」建設の思想的背景
 3 滋賀県多景島の「誓の御柱」建設運動
 4 大日本弥栄会の活動と「誓の御柱」建設の広がり
 5 国民精神の象徴としての「誓の御柱」

第七章 植民地における取り組み
 1 植民地と筧克彦
 2 植民地に対する基本的な立場
 3 満洲における筧克彦の活動
 4 満洲国皇帝溥儀への御進講と『惟神大道』
 5 植民地への教化の試み——挫折と果たした役割

終章 筧克彦の思想の帰結と独自の国体論
 1 国体論内部での影響力の減少
 2 苦難の晩年とその後継者たち
 3 本書のまとめ
 4 躍動する「国体」——国体論者としての筧克彦の特徴

あとがき
注
主要参考文献
筧克彦年譜
巻末資料(『皇学会雑誌 神ながら』目次、『いやさか』目次)
索 引

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