今日のお題:天野真志先生より『幕末の学問・思想と政治運動:気吹舎の学事と周旋』(吉川弘文館、2021年3月)をご恵贈賜る。
天野真志先生より『幕末の学問・思想と政治運動:気吹舎の学事と周旋』(吉川弘文館、2021年3月)をご恵贈賜る。まことにもって有難く、感謝申し上げます。

幕末の学問・思想と政治運動 - 株式会社 吉川弘文館 安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b557736.html
幕末の学問・思想と政治運動: 気吹舎の学事と周旋 | 天野 真志 |本 | 通販 | Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4642043403
草莽の国学・草莽の国学と呼ばれ続けながら、幕末維新を経て、結局は津和野派に押し流されてしまう平田派と申しますか気吹舎門流が、現実政治においてどのような動きをなしたのかというのは、なかなかに見えてこないところでございます。と、申しますか、非常に地に足の付いた活動――つまり周旋というやつ――をしているがために、そう簡単には全容を見せてはくれないわけであります。
こちらのご本は、そうした幽(かそ)けき活動の跡を、それはそれは丹念に追いかけ、周旋を中心とした志士活動の空間を描き出したという点で、まことにもって貴重なモノとなっております。
まぁ、これを見ますと、なるほど秋田市のど真ん中に篤胤が祀られるわいな、と思ったり思わなかったり。あと、これだけ学問統合を目指していた熱い想いは、明治以降どうなるのかしらんと思うと、非常に寂しくなるのも確かでございます。
【目次】
序章 幕末の国事周旋と政治基盤
1 本書の課題
2 研究史の現状と課題
3 分析視角と対象
4 本書の構成
第�吃� 「周旋」をめぐる学問と情報
第一章 秋田藩平田家の誕生と気吹舎
はじめに
1 平田篤胤と秋田藩
2 気吹舎をとりまく環境
おわりに
第二章 気吹舎情報をめぐる諸関係
はじめに
1 気吹舎と政治情報
2 共有される「秘密」
3 秋田藩の情報活動と政治転化
おわりに
第�局� 国事周旋の時代
第一章 国事周旋と言路
はじめに
1 国事周旋と周旋方
2 上京要求論の思惑
3 活動要求としての言路
おわりに
第二章 内乱回避をめぐる「周旋」
はじめに
1 国政をめぐる諸藩の動向
2 合従連衡の萌芽と禁門の変
おわりに
第�敬� 国事と学事
第一章 平田延胤著『馭戎論』の成立と学問統合
はじめに
1 『馭戎論』の成立
2 『馭戎論』の流通をめぐる思惑
3 「学問之苗字なし」と政治展望
おわりに
第二章 王政復古前後における秋田藩と気吹舎
はじめに
1 「復古」の政治過程
2 「東北雄鎮」としての秋田藩
おわりに
終章 総括と課題
当方としては、平田延胤『馭戎論』のお話しは、まことにもって興味深く、彼らがどういう国家像・国際認識を持っていたのかというのを知ることができて大変有難いところであります。ただ、やはりですね、こういう政治的な文書は、そう簡単にオモテに出せなかっただろうなぁと思うわけで、その評価を難しくさせるところでもあります。
そこが、大国隆正のような一定の身分のある人間との発信力の違いなのかなぁと思ったりも致します。まぁ、隆正一流の国学と申しますのは、優れて水戸学と国学のハイブリッドを達成しておりまして、あの治者意識を維持した国学的思考というものこそ、近代国民国家にふさわしい国学のあり方であったとも申せますが、平田はそこまで行けなかったのか行かせてもらえなかったのかは判断の分かれるところかとは思います。
などと、当方の駄文は置きまして、まずは幕末思想史をやろうという方は、絶対にご一読戴きたい本であることは確かでございます。

幕末の学問・思想と政治運動 - 株式会社 吉川弘文館 安政4年(1857)創業、歴史学中心の人文書出版社
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b557736.html
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草莽の国学・草莽の国学と呼ばれ続けながら、幕末維新を経て、結局は津和野派に押し流されてしまう平田派と申しますか気吹舎門流が、現実政治においてどのような動きをなしたのかというのは、なかなかに見えてこないところでございます。と、申しますか、非常に地に足の付いた活動――つまり周旋というやつ――をしているがために、そう簡単には全容を見せてはくれないわけであります。
こちらのご本は、そうした幽(かそ)けき活動の跡を、それはそれは丹念に追いかけ、周旋を中心とした志士活動の空間を描き出したという点で、まことにもって貴重なモノとなっております。
まぁ、これを見ますと、なるほど秋田市のど真ん中に篤胤が祀られるわいな、と思ったり思わなかったり。あと、これだけ学問統合を目指していた熱い想いは、明治以降どうなるのかしらんと思うと、非常に寂しくなるのも確かでございます。
【目次】
序章 幕末の国事周旋と政治基盤
1 本書の課題
2 研究史の現状と課題
3 分析視角と対象
4 本書の構成
第�吃� 「周旋」をめぐる学問と情報
第一章 秋田藩平田家の誕生と気吹舎
はじめに
1 平田篤胤と秋田藩
2 気吹舎をとりまく環境
おわりに
第二章 気吹舎情報をめぐる諸関係
はじめに
1 気吹舎と政治情報
2 共有される「秘密」
3 秋田藩の情報活動と政治転化
おわりに
第�局� 国事周旋の時代
第一章 国事周旋と言路
はじめに
1 国事周旋と周旋方
2 上京要求論の思惑
3 活動要求としての言路
おわりに
第二章 内乱回避をめぐる「周旋」
はじめに
1 国政をめぐる諸藩の動向
2 合従連衡の萌芽と禁門の変
おわりに
第�敬� 国事と学事
第一章 平田延胤著『馭戎論』の成立と学問統合
はじめに
1 『馭戎論』の成立
2 『馭戎論』の流通をめぐる思惑
3 「学問之苗字なし」と政治展望
おわりに
第二章 王政復古前後における秋田藩と気吹舎
はじめに
1 「復古」の政治過程
2 「東北雄鎮」としての秋田藩
おわりに
終章 総括と課題
当方としては、平田延胤『馭戎論』のお話しは、まことにもって興味深く、彼らがどういう国家像・国際認識を持っていたのかというのを知ることができて大変有難いところであります。ただ、やはりですね、こういう政治的な文書は、そう簡単にオモテに出せなかっただろうなぁと思うわけで、その評価を難しくさせるところでもあります。
そこが、大国隆正のような一定の身分のある人間との発信力の違いなのかなぁと思ったりも致します。まぁ、隆正一流の国学と申しますのは、優れて水戸学と国学のハイブリッドを達成しておりまして、あの治者意識を維持した国学的思考というものこそ、近代国民国家にふさわしい国学のあり方であったとも申せますが、平田はそこまで行けなかったのか行かせてもらえなかったのかは判断の分かれるところかとは思います。
などと、当方の駄文は置きまして、まずは幕末思想史をやろうという方は、絶対にご一読戴きたい本であることは確かでございます。