
日本語教育に関するさまざまなテーマを扱う「日本語教育の諸問題」では、愛知学院大学日本語教育センターの田辺淳子先生をゲスト講師にお迎えし、「介護の日本語教育を中心に」と題した講義を実施しました。
講義では、日本の高齢化に伴う介護人材の不足を背景に、外国人介護人材の受け入れが不可欠となっている現状をご説明いただきました。外国人が介護に従事する制度にはEPA、在留資格「介護」、技能実習、特定技能1号などがあり、求められる日本語能力もそれぞれ異なります。介護現場で必要とされる日本語は範囲が広く、特に重要とされる「声かけ」について、田辺先生の調査ではEPA介護福祉士候補者の90%以上が就業前に不安を抱いていたことが紹介されました。日本語教師には、学習者のニーズを理解し、日本語が実際に使われる場面を意識した指導が求められることについてもお話しいただきました。

また、田辺先生が開発に携わられた教材『シャドーイングで学ぶ 介護の日本語 場面別声かけ表現集』も紹介されました。音声のシャドーイングを通して声かけ表現や日本語の発音・リズムを習得でき、英語・ベトナム語・インドネシア語の対訳が付されるなど、学習者に寄り添った工夫が施されています。さらに、介護福祉士国家試験で求められる語彙には、日本語能力試験(JLPT)の学習だけでは十分に対応できないものも多く、学習者がつまづきやすい語彙の特徴を踏まえた指導の重要性について、具体例を交えながらご講義いただきました。
最後に学生に向けて、「日本語教師になってもならなくても、これからの人生で日本語を母語としない人と関わる機会は必ずある。相手に敬意を払い、相手の立場に立ったコミュニケーションを取ってほしい」というメッセージが送られました。
金城学院大学文学部日本語日本文化学科の日本語教育プログラムでは、多くのゲスト講師をお招きしています。日本語教師になるための技術や知識を得るだけでなく、日本語教育に関するキャリア構築やライフプランについての実体験を知ることができるのも、本学の日本語教育プログラムの魅力です。
<日本語教育プログラムについて>
文学部 日本語日本文化学科の日本語教育プログラムは、文部科学省より登録日本語教員養成機関・登録実践研修機関として登録されています。プログラムの修了者は、実践研修および日本語教員試験の基礎試験が免除され、応用試験のみの合格で登録日本語教員の資格を取得することができます。
詳しくは、2025年11月4日掲載の記事「登録日本語教員養成機関および登録実践研修機関として登録」をご覧ください。