英文学専攻

設置の趣旨及び目的

英米文学の研究は、英語圏における文学的創造の営みの結晶である作品の分析と批評を、英語学の研究は、人間言語のメカニズムに関する理論的・実証的解明を根本としています。また、英語教育では、第2言語習得理論に基づいた教育現場への応用を目指す研究を行い、通訳では、職業的通訳者に必要な専門的知識と高度な通訳技術の習得を目標としています。本学の英文学専攻では、英米文学2名、英語学2名、英語教育2名、通訳1名の教員によって、幅広く充実した研究指導ができる体制をとっています。
修了者の中には、大学、短期大学、専門学校、高等学校などの専任または非常勤として、英語教育に励んでいる人達が目立ち、学会での研究発表、専門誌への寄稿などによって修了後も研究に精進しています。また、生涯教育の充実という観点から、学部新卒者だけではなく、社会人としての経験を積んだ人達も大学院に入学し、専門的能力の開発に努めています。

研究内容

前期課程

博士課程前期課程では、英文学、米文学、英語学、英語教育、通訳の特論、演習が開講されています。

英文学では、エリザベス朝の劇、ロマン派の詩、ヴィクトリア朝や20世紀の小説など各時代とジャンルにわたり、充実した教育と研究を行っています。米文学でも詩、小説、評論の分野にわたり、幅広い研究が行われています。

英語学では、生成文法理論を中心に、音韻論、形態論、統語論、意味論など言語の主要な側面についての研究や言語獲得の研究も熱心に行われています。

英語教育では、英語教育の理論とともに中学・高校のライティング活動や学習ストラテジーなどについて実践的研究を行います。

通訳では、通訳者に求められる専門知識の習得と高度な通訳技術の訓練を中心とします。

これまでの修士論文(英語)は、英文学ではシェイクスピアの劇、ディケンズの小説からミルンのエッセイまで、米文学ではホーソーン、メルヴィルやトニ・モリスンの小説からキング牧師の思想まで多種多様です。英語学では「英語と日本語のwh疑問文の獲得」「英語の句動詞の意味的・統語的特性」「日本語の軽動詞構文」など、言語理論の諸側面から言語獲得研究まで広範囲にわたっています。通訳では、修士論文に相当するものとして、通訳活動報告書、および特定課題の提出がされています。

後期課程

博士課程後期課程では、それまでに培われた幅広い文学的あるいは言語学的教養を、高次元の研究領域に収斂し、学問研究を深化させることを狙いとして、その授業科目を「英文学研究」及び「言語学研究」の二部門に分けています。

「英文学研究」では、詩・劇・小説の分野にわたって、米文学をも含めた伝統的な広義の「英文学」を対象に教育・研究指導を行います。17世紀演劇やロマン派の詩研究における本文批評、テクスト解析、詩法、18世紀・19世紀小説研究における小説作法の観点、20世紀小説・演劇におけるテーマ研究などを通じて、個々の対象作品に対する洞察力を養います。

「言語学研究」においては、それまでに培われた基礎的研究能力をさらに高め、言語の理論的・実証的研究を自律的に追求する能力を養います。研究の方法としては、生成文法理論に基づいた理論的研究や比較統語論的研究(コンパラティブ・シンタックス)、及び実験的研究を取り入れています。これにより、創意をもって言語研究に取り組む能力を養います。さらに、言語に関する精深な専門性を要する職業(英語教育、日本語教育、言語発達遅滞児教育など)に必要な専門知識と研究能力も養います。

修了の要件及び授与される学位

前期課程

修了の要件
2年以上在学し、授業科目につき30単位以上を修得し、修士論文または専攻が指定する特定の課題の研究成果を提出し、かつ最終試験に合格した者には修士の学位が授与されます。
授与される学位
修士(文学または学術)

後期課程

修了の要件
3年以上在学し、授業科目につき16単位以上を修得し、博士論文を提出し、かつ最終試験に合格した者には博士の学位が授与されます(在学期間については短縮の特例があります)。
授与される学位
博士(文学または学術)

取得できる資格

  • 高等学校教諭専修免許状(外国語〈英語〉)
  • 中学校教諭専修免許状(外国語〈英語〉)

教員紹介

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