日本語教育に関するさまざまなテーマを扱う「日本語教育の諸問題」において、NPO法人で生活者や子どもの日本語教育に携わる渡部真由美先生をゲスト講師としてお迎えしました。

講義では、まず日本国内の外国人を取り巻く最新の状況として、在留外国人数が過去最高の約412万人(2025年末)に達したことや、国籍・在留資格の多様化についてデータをもとに解説いただきました。続いて、「生活者に対する日本語教育(地域日本語教育)」として、留学以外の在留資格を持つ外国人が置かれた学習環境の課題や、日本語教室の多様な形態についてお話しいただきました。また、「教える・教えられる」という一方向の関係から、日本人と外国人が互いに学び合う「対話型」へと地域日本語教育が変化してきた経緯や、防災・介護・就労など生活情報の共有を主眼とした活動の広がりについても詳しくご説明いただきました。

さらに、外国人児童生徒の教育を取り巻く現状として、日本語指導が必要な子どもが公立学校だけで約8万5千人にのぼること(2025年5月時点)、高校中退率や非正規就職率など進路上の課題についても取り上げられました。日常会話が流暢であっても教科学習に必要な高度な日本語の習得には別の支援が必要であること、また親世代への日本語教育が保障されていないことが子どもの言語発達にも影響するという指摘は、受講生に深い印象を与えました。

講義後半では、渡部先生が実際に携わる活動についてご紹介いただきました。不就学・不登校・学齢超過など多様な事情を抱える子どもたちを対象に、居場所として受け入れながら日常会話や初級日本語を学ぶ教室の様子を具体的にお話しいただきました。買い物と調理実習を組み合わせた課外活動の実践例からは、子どもを「日本語ができない存在」としてではなく「日本語も母語もできる可能性のある存在」として捉える支援の在り方に触れ、受講生にとって日本語教育の意義を改めて考える機会となりました。

金城学院大学文学部日本語日本文化学科の日本語教育プログラムでは、多くのゲスト講師をお招きしています。「日本語教育の諸問題」では、これまでにも日本語学校・大学・介護分野などさまざまな現場で活躍されている先生方にご登壇いただいています。
日本語教師になるための技術や知識を得るだけでなく、日本語教師や日本語教育についてのキャリア構築やライフプランについての実体験を知ることができるのも、本学の日本語教育プログラムの魅力です。

<日本語教育プログラムについて>
文学部 日本語日本文化学科の日本語教育プログラムは、文部科学省より登録日本語教員養成機関・登録実践研修機関 として登録されています。プログラムの修了者は、実践研修および日本語教員試験の基礎試験が免除され、応用試験のみの合格で登録日本語教員の資格を取得することができます。

詳しくは、2025年11月4日掲載の記事「登録日本語教員養成機関および登録実践研修機関として登録」をご覧ください。