磔刑

磔刑

「既に昼の十二時ごろであった。全地は暗くなり、それが三時まで続いた。太陽は光を失っていた。神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた。イエスは大声で叫ばれた。『父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。』こう言って息を引き取られた。百人隊長はこの出来事を見て、『本当に、この人は正しい人だった』と言って、神を賛美した。」
(ルカ 23:44-47)

「イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。」
(ヨハネ 19:25)

イエスが息を引き取られると、神殿の垂れ幕が真ん中から裂けた、と伝えられています。これは神殿の至聖所を区切る幕が裂け、すべての人が直接神に近づくことができるようになったことを暗示しています。

この窓は、真っ暗な空に稲妻が走り、神殿の幕が二つに裂け、激しい天変地異の中で起こったイエスの死の瞬間の描写です。

垂直で動かない十字架をとりまく稲妻の直線(カギ型で強調)と、曲線で表現する嵐のような風に煽られた幕の下には、十字架にすがりつく母マリアとその姉妹、うずくまるマグダラのマリア、顔を隠すクロパの妻マリア、イエスを見上げて信仰を告白する百人隊長、イエスの死を凝視するヨハネ、そして、落胆するアリマタヤのヨセフの姿が描かれています。


×