生活環境学部 生活マネジメント学科 丸山千賀子教授の著書『ロスト欲望社会 消費社会の倫理と文化はどこへ向かうのか』が2021年6月25日に勁草書房から出版されました。消費研究の気鋭の論者たちが、最新の消費理論を紹介するとともに、日本の消費社会の今後を展望した共同研究の成果です。

本書は、さまざまな観点から現代の消費社会について論じています。消費者運動、有機野の産消提携運動、ハンドメイド市場、無印良品に代表されるシンプル消費、消費ミニマリズムなどです。

高度経済成長期の日本では、テレビや冷蔵庫などの商品が同じ規格で大量に生産され、大量に消費されました。80年代のバブル経済期になると、きらびやかな服やバッグなどのブランド商品が売れるようになり、いわゆる「ポストモダン」の消費文化が花開きました。

しかし現代の消費社会は、人々の欲望が衰退する時期に入ったようにみえます。そうした中で、新しい消費文化と消費の倫理が生まれています。

丸山千賀子教授の担当する「第4章 消費者運動の変遷と消費者団体の行方」では、世界の消費者団体がこれまでどんな活動(運動)をしてきたのか、そしていまどんな課題に直面しているのかについて振り返り、その中から未来の方向性を探っています。消費者個人の力に限りがあるように、個々の消費者団体の力にも、やはり限界があります。しかしそのような力の制約を超えて、消費社会をよりよくするために、いま消費者に求められている活動とはどんなものか....過去の経緯から現在の状況を見据えて展望しています。

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