薬学部 薬学科 6年生の廣瀬由依さん(吉川昌江研究室)が行った「Diurnal Variation of Sitagliptin-induced Pharmacological Effects in C57BL/6J Mice」と題した論文が、日本薬学会が出版している英文学術雑誌「Biological and Pharmaceutical Bulletin」の42巻09号(2019年9月1日発行)に掲載されました。本論文は廣瀬さんが卒業研究として行った研究テーマで、第二著者として論文作成に貢献しました。

日本においては糖尿病の患者は300万人以上いるといわれています。その中で二型糖尿病は9割を占め、食事療法・運動療法で効果が見られない場合に薬物治療となります。本論文では、膵臓からのインスリン分泌を調整して血糖値を下げるシタグリプチン(DPP-4阻害薬)に着目して研究を行い、明るい時刻にシタグリプチンを服用させると、血糖値や脂肪肝などの症状が回復しますが、夜中に同じ量を投与してもこれらの改善は見られませんでした(マウスを用いた検討)。

シタグリプチンは、1日1回服用するように記載がありますが、本研究結果よりヒトにおいても服用時刻によって薬の効果が異なる可能性を示す内容となっています。