ラジオ福島で長年アナウンサーとして活躍している大和田新さんがキャスターを務める番組に、磯野正典ゼミ3年の足立清歌さん、阿部桃子さん、金森成美さん、長坂梨央さんが出演します。ゼミ生は原発事故から10年を迎えようとしている東京電力福島原子力発電所のある地域を訪問。震災と爆発事故発生時から現在までの状況と、復興に向けた取り組みや成果を検証しました。また、同じ震災被災地で原発被害の無かった地域を既に訪問して、その違いも明らかにしています。

番組収録は浪江町で行われ、大和田アナウンサーから多くの質問が投げかけられ、名古屋から来た学生の視点での感想や考えを熱く語りました。普段からゼミ生は「現地・現物・現在」をしっかりと観察し、そこにある課題を発見し、調査・分析する事を学んでいます。番組の中では、今回の現地訪問で気づいた事柄を率直に話しました。

金森さんは「目標として自分が災害の伝承者になりたいと思っていたが、事実をそのまま、多くの人に伝える重要性を認識した」。長坂さんは「復旧と復興は違い、形だけの復旧をしても、復興ではない事が一番心に残った」と述べいます。足立さん、阿部さんは「まず、大学で自分達が感じた事、東日本で起こった事を伝える報告会を開催する」と計画を立てています。

磯野ゼミでは2012年から東日本大震災と地域メディア研究を継続し、毎年この時期に現地を訪問しています。来年は震災から10年目になることから、これまでの活動を書籍にして出版します。今回の現地視察は、新型コロナウイルスの影響により何度も中止されかけましたが、時期を慎重に見極め、移動ルートや方法、三密を絶対に避けるなど、最善の防疫対策を行って実施しました。