左より:平下智之薬剤部長、林高弘教授、伊藤璃音さん(林高弘研究室 卒業生)、藤吉里紗先生、井上壽江副薬剤部長

伊藤璃音さん(林高弘研究室 卒業生)が薬学部薬学科で卒業研究として取り組んだ研究「腎臓シールを活用した薬剤師の患者教育による腎機能の理解度への影響」が、2026年4月、学術雑誌 ‘日本腎臓病薬物療法学会誌’ に掲載されました。

腎臓の働きが健康な人の60%未満に低下した状態あるいはタンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を慢性腎臓病(CKD)といいます。CKDは日本人成人の約5人に1人が罹る身近な病気ですが、初期段階では症状がほとんど現れないことが知られ、過去に発表された多くの論文によると一般市民のCKDに対する認知度の低さが問題視されています。

岐阜県ではCKDの進展による透析導入や死亡者数を減らすため、CKDの重症度に応じて緑、黄、橙、赤の4種類の色分けした腎臓シールを発行し、県内の医療機関に配布しています。岐阜県総合医療センター薬剤部では、主に入院患者様への服薬指導の機会を利用して腎臓シールを用いた腎機能についての指導を行い、患者様のCKDに対する認知度を高める取り組みを行ってきました。

今回、この取り組みが患者様の理解度向上にきちんと貢献できているか否かを検証するため、過去に入院した患者様2,610名を対象に調査しました。調査の結果、薬剤師による指導がその後の腎機能の理解度向上につながることを明らかにするだけでなく、理解度向上に及ぼす影響因子についても特定することができました。

本研究は、岐阜県総合医療センター薬剤部および腎臓内科との共同研究として実施したものであり、今後のCKDの啓発活動に役立つことが期待されます。

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