薬学部薬学科6 年生の武田尚子さん(福石研究室)や5 年生の阿部潤奈さん(福石研究室)を始め、福石研究室の卒業生の皆さん(淺井遥さん(現 本学助教)、宮坂真由さん、初川香穗さん、村上名誠さん)が共同で取り組んだ研究内容が、International Archives of Allergy and Immunologyにaccept されました。

左から、武田尚子さん(6 年生)
    淺井 遥さん(卒業生、本学助教)
    阿部潤奈さん(5 年生)

本研究では、本学の青柳裕教授から供給されたkamebakaurin という化学物質のアレルギー薬としての効果を調べました。
福石研究室の皆さんは、まず、試験管内で行った実験により、kamebakaurin が、肥満細胞という細胞からのヒスタミンやロイコトリエンなどのアレルギー惹起物質の遊離を著明に抑制することを証明しました。次に、本学の安東嗣修教授がアレルギーモデルマウスへの投与実験を行い、kamebakaurin が実際にアレルギー反応を抑制することを実証しました。さらに、本学の黒崎博雅教授の協力を得て、kamebakaurin がアレルギーを惹起する原因の一つとなる分子の機能を阻害している可能性を示しました。

これらの研究結果は、kamebakaurin が抗アレルギー薬の候補物質として有力である事を示しただけでなく、kamebakaurin が阻害する分子が抗アレルギー薬の新たなターゲット分子になることを示しています。