国際情報学部・磯野正典ゼミの4年田畑有菜さんが11月17日に配信された沖縄の新聞社「琉球新報」のラジオ番組「琉球新報ラジオ部」に出演しました。

田畑さんは3年次からゼミで沖縄米軍基地に於ける軍事環境問題の研究を行い、中でも近年注目されている「有機フッ素化合物・PFAS」をテーマに、今年9月に現地に訪れ取材を行いました。取材では琉球新報の記者が4名同席し、有機フッ素化合物・PFASによる土壌汚染と、それに伴う健康被害に関するヒアリングと番組収録を行いました。

番組収録の様子 
左:琉球新報 大城周子さん
右:4年 田畑有菜さん

番組の中で田畑さんは「紙面だけでは得ることのできない、ジャーナリストとしての意見と住民としてのリアルな思いの二つの側面からの意見を聞くことで、現地取材でしか味わえない学びを得ることができた」「軍事環境問題は沖縄だけの問題ではなく、日本人全員でアクションを起こしていかなければならない問題だと改めて感じた」と話しました。

また、琉球新報の記者で番組パーソナリティの大城周子さんをはじめとする記者たちは「大学生世代の人が実際に話を聞きに来るというのはとても大切なことで心強い。自分たちも実際に取材を受けたことで、普段の生活や仕事を振り返る機会になり、学びが多かった。」と賞賛しました。

田畑さんは同ゼミでラジオ番組制作のリーダーも行っていることから、今回の取材を得て軍事環境問題をテーマにしたラジオ番組を卒業制作としてまとめる予定です。

ヒアリングの様子
左 :琉球新報 大城周子さん
中央:琉球新報 玉城江梨子さん
右 :4年 田畑有菜さん

ゼミの磯野教授は、「今回のラジオ出演は田畑さんが琉球新報から逆取材を受ける形なった。これは琉球新報の記者が、田畑さんの研究活動を高く評価している証である。また、田畑さんはゼミでラジオ番組に長く制作・出演していることもあり、トークも明瞭・快活で番組のクオリテイーを高めるなど、聞いている沖縄の視聴者に大いにアピールした。」と評価しました。

 磯野ゼミの学生は、エフエムいちのみやでラジオ番組の制作を長く担当しています。番組は地域の魅力を発信するレギュラー番組と、毎年、社会問題にスポットを当て特別番組として放送されるものがあります。田畑さんは来年一時間の報道特別番組を一人で制作し放送します。テーマは「沖縄米軍軍事環境問題」で、今回の琉球新報でのラジオ番組への出演が生かされます。特別番組はこれまでに「東日本大震災の復興に向けた課題」などを継続して放送していますが、引き続き国際情報学部の有志学生により継続される予定です。

磯野教授の元、このようなジャーナリズム分野の取り組みは、沖縄のラジオ・テレビや新聞、また、東北の石巻日日新聞やラジオ福島などで記事や番組として数多く取り上げられていると共に、研究活動の成果を学術論文としてまとめ、毎年学会で研究発表を行なっています。特に昨年と本年の沖縄米軍基地を巡る一連の環境汚染問題は先進的なテーマであり、学術研究の視点から意義があるという評価を得ると共に、東北被災地の研究では10年間の活動に対して昨年、情報文化学会から表彰を受けています。

そして、一連のゼミ活動に参加したゼミOGは、東海テレビやCBC、NHK(奈良・愛媛・長野・青森)でアナウンサーや記者 、地域キャスターとして活躍、東京のNHKで調査報道番組の担当者や電通東京本社で働いている人もいます。また、磯野教授が指導した人間科学部の学生が今年、時事通信の記者として内定するなど、ジャーナリストとして多くの人材が金城の学舎から羽ばたいています。因みに田畑さんは東京の出版社に内定をしており、今度は活字メディアでの活躍が期待されています。ここでも、今回の経験やゼミ活動の成果が必ず活かされると思います。

番組は以下にアクセスすれば聞くことができます。(琉球新報ラジオ部)
https://open.spotify.com/episode/5PI5UL1Kn3UlGQ9s6UgfdP