2022年1月29日(土)、文学部 英語英米文化学科 英語スペシャリスト養成プログラム4年生の学習成果公表の一環としての「通訳シンポジウム」が行なわれました。昨年に引き続き、新型コロナ感染拡大という状況下で、外部の会場ではなくZOOM会議システムを使用したオンラインでの開催になりました。

ZOOM風景

昨年度は、司法通訳をテーマに選び、中国語のベテラン通訳者である馬小菲(マショウフィ)先生に刑事事件の通訳に関する講演をしていただきました。今年度も司法通訳をテーマに選んだのですが、昨年度とは異なり、法律家の視点から司法通訳の問題を語っていただきたいと考え、大阪弁護士会所属の寺田有美子先生にご参加いただきました。寺田先生は日弁連の刑事弁護センターに所属され、長年司法通訳の問題に取り組んで来られ、日本で一番司法通訳に関する知識をお持ちの弁護士さんです。今回のご講演では、日本の司法制度について学生にもよくわかるように説明してくだるとともに、現場で通訳人が直面する問題についても、色々な実例とともにお話しされ、司法通訳に関心のある学生たちにとって、たいへん学ぶことの多い内容でした。

 

寺田先生のご講演

また、学生たちは、2つのグループに分かれ、医療通訳と学校通訳をテーマにしたプレゼンを行いました。医療や教育の場でのコミュニケーションの問題と通訳の意義、通訳の直面する問題など、かなり掘り下げた内容を発表しました。とても魅力的なパワポを使用しながら、英語で発表しましたが、学生たちによる日本語の逐次通訳も付き、聞いている人たちにとって非常にわかりやすいものになりました。

 

学生のプレゼン 医療通訳

 

学生のプレゼン 学校通訳

この学習成果発表会において「成果発表」の部分を最も象徴的に表していたのが、講演の通訳でした。オンライン開催になったことから、会場でパナガイドシステムを使用した同時通訳を行うことができないので、同時通訳ではなく逐次通訳を行いました。通訳担当の8名の学生は、何週間も前から、講演者の協力を得、当日話される内容についての情報収集を行い、専門用語などの対訳集作成を含む事前準備をしました。講演は事前にいただいた原稿通りに進まない個所もかなりありましたし、質疑応答はもちろん準備もなく通訳することになりましたが、学生たちはとても頑張って、何とかついていくことができました。オンラインの場合、それぞれが自宅などで参加することから、学生同士で助け合って通訳をすることができず、すべて一人で対応しなければならないという大変な状況でしたが、一人ひとりが精いっぱい頑張ってくれました。

また、イベント全体を統括した4名の学生には、学習成果公表助成金の申請をはじめ、チラシ作成などの広報活動、ZOOM会議の設定、当日の司会進行役をやってもらいました。彼女たちのおかげでイベントがスムーズに進行しました。
このように、ゼミ生全員の努力のおかげでこのイベントが盛り上がりました。

英語スペシャリスト養成プログラムの3年生も聴衆としてオンラインで参加し、イベントを盛り上げることができました。彼女たちが今回色々と学んだことを、来年度の通訳イベントにつなげてくれると期待しています。