早春の植物
 
(このページの写真は本学薬草園で撮影したものです)
 
〜解説を見ていただくに当たっての注意〜
 *植物名は標準和名,学名,()内に科名の順で書かれています。
 *用部のあとのカッコ内は生薬名前です。
 *主要成分とはその植物を特徴づける成分のことです。一番多く含まれているという意味ではありません。
  また,薬効成分というわけではないこともあります。
 
ウメ Prunus mume(バラ科)
用 部 : 未熟果実(烏梅)
用 途 : 抗菌作用,収斂作用。 
      鎮咳去痰,下痢止めなどに用いる
主な成分: 有機酸

花期は2月下旬〜3月上旬。烏梅は未熟果実を日干ししたもの。未熟果実はアミグダリンや青酸を含むので生食すると中毒を起こします。
オウレン Coptis japonica(キンポウゲ科)
用 部 : 根茎(黄蓮)
用 途 : 苦味健胃
主な成分: ベルベリン

2月の下旬,いち早く花を咲かせます。根茎の切り口はベルベリンの色である濃い黄色をしています。
ボケ Chaenomeles speciosa(バラ科)
用 部 : 果実
用 途 : 鎮咳
主な成分: 有機酸類

2月下旬〜3月上旬,ウメと時期を同じくして可憐な花を付けます。生薬名「木瓜」は日本ではカリンの果実をさしますが,中国での「木瓜」はボケの果実をさします。皺皮木瓜ともよばれます。カリンのど飴の原料にもしばしば用いられています。
 
早春の若芽たち
まだ北風の強い寒い日があるなか,植物はもう春のエネルギーを発しはじめています。
 

カワラヨモギの越冬芽
(中国では綿茵陳という生薬になります)

キバナオウギの新芽
 
写真は全て本学薬用植物園で撮影したものです。
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