2014年02月12日 (水)

今日のお題:桐原健真「弘道館とその祭神:会沢正志斎の神道思想」(佐々木�郢癖圈惷畭綟�本の地域史的展開:政治・文化・経済』岩田書院2014年、15-38頁)


佐々木寬司先生退職記念論集に一本載りました。佐々木先生、お疲れ様でございました。これまでありがとうございます。そして、今後とも宜しくお願いいたします。

佐々木寬司編『近代日本の地域史的展開:政治・文化・経済』
http://www.iwata-shoin.co.jp/bookdata/ISBN978-4-87294-843-1.htm

要旨 水戸藩藩校弘道館には、孔子廟とともに鹿島社があり、それは水戸学の神儒一致思想に基づくものである。しかしこれらの祭神選定には多くの紆余曲折があり、そこには天皇神奉斎を強く希望する藩主斉昭の存在があった。側近たちが強く反対するなか、彼は「弘道館記」撰述直前まで、その主張を繰り返したのである。

この祭神論争は、会沢正志斎による「文武の神」としての鹿島神奉斎という形で終結を迎える。それは常陸国一宮である鹿島神宮の神を祀ることで、水戸藩が――観念の上ではあれ――「常陸国領主」であることを宣言するものであった。

水戸藩は、尾張・紀伊両家に対するコンプレックスを抱えてきた。後期水戸学は、こうしたみずからのアイデンティティの追求を大きな動因としたものであり、この点で、水戸あるいは常陸国という歴史的・地理的環境を背景にしたイデオロギーであった。後期水戸学は、あくまで「東藩・水府の学」として成立したのであり、「〈常陸国領主〉水戸徳川家」を夢見た会沢・東湖そして斉昭たちにとって、「明治維新」なるものは、全く遠いところにあったのである。


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