コラージュ基本材料シート集について

コラージュ療法基本材料シート集
 これまでのコラージュ療法の動向から,コラージュ療法に求められる基本的な要素を備えた材料集の必要性があると考えられたため,試作版を経て「コラージュ療法基本材料シート集」を開発しました。本材料集は科研費の助成を受け(課題番号24530894),今村友木子,加藤大樹,二村彩,今枝美幸による共同研究によって開発されました。

これからコラージュ療法を始めたい人へ
 コラージュ療法は材料を用意するところから始まります。クライエントの年齢,性別,興味や関心,特性,抱えている問題などを考えながら材料を用意しますが,幅広くいろいろな材料を用意しておく必要があります。刺激的すぎず,気持ちを投影しやすいもの,親しみやすいものなどの配慮も必要で,初めての人にはこの材料の用意が意外と難しい課題であると森谷(2012)も指摘しています。
 この基本材料シート集には,幅広い材料が含められており,導入前にセラピスト自身が材料収集の手がかりとして使ってみるのにはお勧めです。クライエントさんにも,初回にはこの材料集で導入をして,その様子から次に用意する材料を考えていってもよいでしょう。

*詳しくは,こちらをお読みください。
コラージュ療法基本材料シート集の開発と今後の活用 金城学院大学論集,今村友木子,加藤大樹,二村彩,今枝美幸 本文PDF

材料に関する諸問題・・・材料を揃えることは大変!
・雑誌一種類では,十分な幅広い内容を確保できない。
・雑誌の選択の難しさ,コピーの許可を得る苦労。
・費用負担 複数雑誌例:(430円+570円)×100名分=100,000円
・あとから同じ雑誌を追加購入することはできない!

本材料集の特徴
・さまざまな素材が,バランスよく含まれている
・切り抜きやすい・・・・A4,片面印刷,余白処理
・探しやすい ・・・・・綴じていないので広げて見ることができる。
・長期的に利用可能・・・オリジナルな編集による制作・印刷

基礎研究での活用
・使用法の統一が大切。・・・・これによって,研究間の比較が可能に。
・一人一セット。
・加工せずに,そのまま使う。
・台紙は八つ切り画用紙を使用する。
・すべてのシートを確認してから使用してもらう

臨床場面での活用
・アセスメント的な利用が可能。
・「最初」「中間」「最後」など,使用するタイミングに配慮する。
・「最初」や「中間」では,「使用した材料」も「使用しなかった材料」も「足りなかったもの」も,クライエント理解の手がかりになる。
・一人一セット。

『コラージュ療法基本材料シート集』改訂のお知らせ
これまで使用いただいたみなさまの声を参考にして、このたび『コラージュ療法基本材料シート集』を改訂いたしましたのでお知らせいたします(2022.8.22)。
ただし、写真内容や封筒については、これまでのものと変わりがありません。

【変更点】
改訂版には、裏面にごく薄く、下の文字が一面に印刷されています。
コラージュ療法基本材料シート集
The Basic Set of Materials for Collage Therapy 
これにより、切り抜きであっても裏返した際に、「コラージュ療法基本材料シート集」の一部であることがわかりやすくなりました。

【使用の仕方】
これまで通り、1人1セットを基本的な使用法とします。
使用後の残部を、コラージュボックスに入れ、他の雑誌等の切り抜きの中に混ぜて使用してもかまいません。

【注意事項】
従来版(裏が一面無地の材料シート)は、使用後の切り抜きを混ぜずに破棄してください。
複数の方が使用された後でも、改訂版かどうかは裏面印刷によって明白なので、分別は簡単です!
(複数の参加者に使用される場合、従来のシート集と改訂版のシート集を同時に配布・使用していただいてもかまいません。 ただし、使用後に切り抜きとして利用したい場合は、使用後に従来版と改訂版を分別してください。)

 ◎販売価格はこれまでと同じ!
 ◎使用後の材料を活用できる!(改訂版のみ)
  → 紙資源が無駄にならない!
  → コラージュボックス法での臨床場面に活用できる!
   どうぞ、より一層ご活用ください!


*本材料集をご使用になりたい方は,コラージュ療法材料集普及会へ。

*ご使用になる前に,こちらも必ずお読みください。


文献
*森谷寛之(2012)コラージュ療法実践の手引き その起源からアセスメントまで 金剛出版
*今村友木子・二村彩・加藤大樹・今枝美幸(2019)コラージュ療法- 材料からの再考  ナカニシヤ出版