馬場今日子

20011

山下淳子先生

Referential Communication Tasksについて

 

[本の概要と所感]

referential communication (ここではRCと略します)の理論的背景から実際のタスクの説明までを解説している。本は5章からなる。1章はOverviewで,RCの歴史や概念,2章は(特にL1における)RC研究で明らかになったこと,3章はreferential communication task (ここではRCTと略します)を使う場合に考えるべき原則や区別,4章は実際のタスクと使う手順,5章はデータを分析する枠組みについて書いてある。それぞれの章にはfurther readingの節を設けてあり,関連する研究が紹介してある。RCTを使おうと考える人には,この本はよい案内書になると思う。

私は他の研究で使われていると言う理由で漠然とpicture description taskを使おうと考えていたことがあった。しかしそんな浅はかな考えでそのタスクを使わないでよかったと思う。そもそもRCTはどういう目的のために使うと効果的なのかさえよく分かっていなかった。それはこの本を読めば理解することができる。また,RCTをいかに上手く利用するかを考えるために参考になることも書いてある。大切なのは,あるRCTを使う際のコンテクストと被験者の認知活動をよく考えることだと思った。

 

[ポイント]

以下では各章で私が重要だと思ったポイントをまとめ,最後に意見・感想を述べたい。

 

1 Overview

認識能力: 指示されているものと指示されていないものの属性を認識

比較能力: それらの属性の決定的な相違や類似をidentifyする

言語能力: それらの決定的な相違を言語化する

 

2 The development of (L1) referential communication

 

3 Principles and distinctions

(話し手から)目的を持ったスピーチを引き出す

広がりのある談話を引き出す (短い返答だけでは駄目)

構造のある談話を引き出す task designは基本的な談話の構造を提供すべし)

限定された談話を引き出す (被験者が何について話すか限定する)

話し手自身の談話を引き出す (どんな言語形式を産出するかは話し手次第)

さまざまな談話を引き出す (異なる種類のタスクを使うようにする)

ベースラインデータをとること

 

4 Materials and procedures

 

5 Analytic frameworks

 

[意見・感想]