金城学院大学 国際情報学部 KITカンボジア研修2015

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 カンボジアに行く前の印象と言えば、「危なくて危険なところ」である。
 しかし、実際行ってみると、「温かくてのどかなところ」なのだ。
カンボジアに行ったこともない人は地雷もあって危ないところという印象を持つが、今回の10日間の研修で、日本での私たちがどれだけ裕福に暮らしていたか思わされたのである。また、文化の違いや人の心の温かさなど体験することができたのだ。
 まず、カンボジアと言えばポルポト政権である。
ポルポト政権の際、行われていた大虐殺は「キリングフィールド」と言う場所で行われており、そのうちの一つ慰霊塔がある場所を訪れた。
慰霊塔は17階建てで中の遺骨は8985体有るが、ほんの一部である。
 キリングフィールドの中身は誰にも知られておらず、誰も入れないようにされていたのだ。また、キリングフィールドは楽しそうな音大音量で流し、外の世界に死にゆく叫びが聞こえないようにされていたのである。
 キリングフィールドの中にはまだまだ大勢の遺骨や服が埋まっており、現在人が歩いている場所にも見えないだけで埋まっている可能性があるのだ。 戦争というものは人を狂わしてしまうものであり、人を屈服させてしまうものである。

 次に訪れたのは「トゥールスレン刑務所」である。
この刑務所はキリングフィールドに行く前の拷問をする場所なのだ。元高校の校舎を使用していたのである。刑務所にはカンボジア人以外にも外国人が拘束されており、A棟以外ベッドはなく、狭い独房や雑房で一日一日を過ごしているのだ。
 次に訪れたのは「CHA」という暴力を受けた女性、主にポリオ障害の女性を雇っているところである。このCHAの最初の援助はカナダであり、現在使用しているミシンは日本のチャリティーが贈呈した中古のミシンである。被害者たちはCHAに来ることで社会に出られるようになったのだ。被害者は日曜日の1時間だけ日本語を習い、月曜日から金曜日までは英語を習い、日本の女性がどのようなものが好きなのか、母国に帰って仕事に有利となるように毎日勉強をしているのである。
 最後にかものはしの「コミュニティフェクトリー」である。
 かものはしプロジェクトがクチャ村に開設したコミュニティファクトリーの運営が主な活動内容となっており、家庭の経済力が最も低く、女の子の働きたいという強い思いで雇用をしているのである。この場所で働くことで貧困層にいる女性たちが経済的・社会的に自立ができるのだ。
 戦争というものは自分の言うことを言い聞かせ屈服させるものである。
 「平和が良い」と言うことは簡単であるが、それを実践するとこは不可能なことである。また、戦争を起こさない様にするにはどうすれば良いのか。
 カンボジア研修でどれだけ私たちが裕福に暮らしているのか感じさせられるものであった。

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