金城学院大学 国際情報学部 KITカンボジア研修2015

 金城学院大学 国際情報学部 KITとは、1年生が終わった春休みに実施するプロジェクト型の海外研修プログラムです。このプログラムは必修科目のなかで実施され、学生たちは、米国(ロス、サンフランシスコ、ハワイ)、カナダ、台湾などのプログラムから1つ選び、専任教員の引率のもと、世界中に飛び出していきます。このカンボジアの研修もそのひとつとして、2015年度(2016年2月)に実施いたしました。
 今回は、「カンボジアの今を切り取る」のテーマのもと、世界で活躍するフォトジャーナリスト安田菜津紀さんにご協力いただき、10日間かけて、プノンペン、タサエン、シェムリアップを巡りました。カンボジアは、人間の愛、苦しみ、悲しみ、美しさ等、様々な複雑な思いをその歴史と大地に刻む国です。この研修を通じて、参加した15人の学生たちは、カンボジアの内戦や貧困について考えたり、人間の温かい愛情に触れたり、元気な子どもたちに出会ったり、カンボジアで働く日本人の方々と出会ったりしながら、貴重な体験をたくさんしました。
 研修中、学生たちは、その歴史の重さや社会が抱える問題の深さから、見たこと、聞いたこと、感じたこと、触れたことを言葉にできないこともたくさんありました。そんな彼女たちに対し、安田さんは、毎晩、丁寧にミーティングを行い、学生たちの心のもやもやしたものを、言語化する手伝いをしてくれました。また、彼女たちの心の中にある無数の言葉を引き出してくれました。そして、世界の見方、向き合い方、伝え方を教えてくださいました。このレポートは、学生たちがカンボジアの歴史や人々と向き合い、自分と向き合い、考えたこと感じたことを自分たちの言葉でつづったものです。
 このレポートには「学ぶこと」「知ること」の重さに気づく彼女たちの姿があります。社会に対して無関心でいること、そのことが、何を引き起こすのか。学び、知ったものは、社会に対して何をしなければならないのか。カンボジアはそのことを私たちに教えてくれました。ここで得たことは、必ず彼女たちの力となることでしょう。
 最後になりましたが、安田さん、旅行会社の山池さんをはじめ、多くのこの研修に関わった方々に心から心から心から感謝いたします。

金城学院大学 国際情報学部 岩崎公弥子
iwazaki@kinjo-u.ac.jp

← 目次へ