薬学部6年生の杉本怜子さん(池田研究室)が、3月23日(土)・24日(日)に札幌で開催された「日本臨床腫瘍薬学会学術大会2019」において、初心者優秀演題賞を受賞しました。

杉本さんは「免疫チェックポイント阻害薬投与によるがん関連性血栓発生状況とリスク因子の探索」というタイトルで研究発表を行いました。がん患者さんは血栓ができやすいことが知られています。しかし、がん治療の現場で現在注目されているオプジーボ(R)(ニボルマブ)などの免疫チェックポイント阻害薬とよばれる薬の副作用の一つである血栓のできやすさやどのような人に危険性が高いのかは明らかになっていませんでした。

杉本さんは、これらを明らかとする研究を行い、これらの薬を投薬中の患者さんの約8.2%に血栓ができること、血栓が血管に詰まる病気(心筋梗塞や脳梗塞など)にかかったことがある方が投薬された薬による新たな血栓ができやすいことを明らかにしました。この研究結果は、免疫チェックポイント阻害薬をがん治療に使用する際には、循環器科や脳卒中科と連携して血栓の発現に注意しながら治療を継続していくことで副作用を減らせる可能性があることを示しました。

授賞式での杉本怜子さん