2009年12月28日 (月)

今日のお題:「日本思想史系データベースの利用とその現状」(『日本歴史』(2010年1月号:740、101?103頁)

『日本歴史』(2010年1月号)
http://www.yoshikawa-k.co.jp/news/n349.html

とても短い文章ですが、

「データベースがインターネットという開放形のネットワーク上に公開されているということは、研究者だけを対象としているのではなく、国内の一般市民はもとより海外にまでその情報を提供することを意図しているはず」

という下りと、

「テキストDBの整備がもっぱら個人や特定の研究機関によって計画・展開されるにとどまり、これらが有機的に連関していない状況に変わりはないのは残念である。国家プロジェクトに拠らざるDB構築――それは日本の学術研究の底力を示すものであると同時に、その社会的貧困あるいは政治的無関心をも意味しているのではないだろうか。」

という箇所は、切実にそのように思います。とくに、古典籍のテキストデータベースに関しては、完全に他の東アジア諸国の後塵を拝していると言わざるを得ないわけで、このままですと、日本漢文なんてものは、その固有性を失う危険性すらあると申せましょう。

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