研究所について

ごあいさつ

 キリスト教文化研究所は、今から20年前の1995年5月、(1) 広くキリスト教の宣教とキリスト教文化に関する学術研究・調査を行い、(2) 国内外の大学及び研究機関との交流を図り、(3)学術文化の進展に寄与し、(4) 本学の教育と研究に資することを目的として設立されました。その時以来、宣教、学術研究・調査、交流、そして教育と研究に関する成果の発表の場として、前期に研究発表会、後期に数回の公開講演会、そして年度末に『紀要』を刊行してきました。また、2006年以降は、研究所のホームページ上にもそれらの成果を掲載してきました。

 本学の建学の精神は、福音主義のキリスト教に基づく女性のための教育を行うことにあります。キリスト教文化に関わる専門学術の研究を遂行し、その特質を解明することは、建学の精神の明確化と具体化に資するところ極めて大であり、また本学の重要な使命の一つを果たすことでもあります。

 本研究所は、年に数回、国内外の有識者を講師として招聘し、公開講演会を開催しています。2005年は設立10周年記念事業として、「宗教と科学との対話」をメインテーマとして研究プロジェクトを立ち上げ、同年10月には有識者によるシンポジウムを開催しました。また、翌2006年には10周年記念論文集として『宗教・科学・いのち』を上梓しました。

 研究所設立20周年の記念事業の第一弾として、プロテスタンティズムが生み出した最大の音楽家ヨハン・セバスチャン・バッハを中心に、キリスト教会の礼拝音楽―その過去・現在・未来―に取り組んでいます。昨年度の椎名雄一郎氏に続いて、2016年度はカトリック文化圏でのパイプ・オルガン演奏の再現を試みる二人の演奏家、アレックス・ガイ氏と吉田愛氏を招聘し、「ORGAN DUOコンサート」の公開演奏会を開催しました。
 また、記念事業の第二弾は「宗教の本質」を問う企てとして、生成人類学の立場から「暴力と宗教の人類学」を専門としたフランス出身の文芸批評家、ルネ・ジラール (1923-2015)を追悼する形で、6月に「文化の普遍性・個別性とグローバリゼーション 生成人類学の可能性」、11月に「贖罪、キリスト教=仏教の対話」というテーマのもとで、生成人類学会と国際学会を共同開催しました。
 さらに、記念事業の第三弾として、欧米の現代社会における「脱宗教(ライシテ)」の意義について、日本ケベック学会とベルギー研究会の協賛を得て、栄の金城学院大学サテライトで公開シンポジウムを開催しました。この成果は次年度に論文集として刊行する予定です。
 これからもキリスト教文化研究所は、固定観念は先入観に捕らわれず、キリスト教という問題の核心に多元的に迫る教育・研究機関としての歩みを続けていくものです。

 キリスト教文化研究所の諸活動の成果は、『紀要』やホームページを通して、ご覧いただくことができます。ご意見などをお寄せいただければ幸いに存じます。どうか今後とも研究所の働きにご理解とご協力をいただきますようお願い申し上げます。

キリスト教文化研究所所長 楚輪 松人