2024年4月1日(月)に、2024年度 金城学院大学 入学式を挙行しました。

式辞 学長 小室尚子

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。ご家族、ご関係の皆さまにも心よりお祝いを申し上げます。

ほとんどの新入生の皆さんは、中学から高校にかけて新型コロナウイルスの世界規模の蔓延という事態にみまわれて学校生活も日常生活も制限されることばかりで辛かったことでしょう。昨年から少しずつ日常が戻ってきましたが、コロナ禍のなかで受験勉強に身が入らず、大学で学ぶ事を断念してしまった人もいます。その様な中で、みなさんは大学進学を決意して、そして金城学院大学を選んで、ここにおられるわけです。

これからの4年間、あるいは6年間、2年間をどうぞ存分に、学びに、研究に、またクラブ・サークル活動に力を注いで、二度と繰り返さない時間を、誰のものでもない自分の人生の時間ですから、悔いのないように過ごしてください。自分の目標のために、人としての自分を成長させてください。

そのためには、まずは、自分自身を知ることです。皆さんは、自分がどういう人間か、しっかりと見えていますか。『聖書』の中にイエス・キリストのこういう言葉があります。「あなたは、兄弟の目にあるおが屑は見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気がつかないのか」という言葉です。自分の目の中に「丸太」なんて、と思うかもしれません。相手の目の中は「おが屑」です。相手のおが屑をとらせてください、というのは、自分を相手より上において、自分はよく見えているという気持があきらかでしょう。でもキリストは、そういうあなたの目の中にあるのは「丸太」だ、と言われるのです。あなたの目の中にはそんな丸太があるかも知れない、自分をいつも吟味していなさい、ということです。自分の中に丸太があることに気付いたら、誰でも、それをまず取るでしょう?そうするとき、相手を批判したり、裁いたりするのではなく、真の人と人とのコミュニケーションが生まれると教えられるのです。

昨今、私達の周りには、なんと無責任な言葉が氾濫しているでしょうか。とくにSNSを借りた中傷や誹謗はどうでしょう? 真実を確かめもしないで、言葉で人を陥れる、それは大きな丸太でまったく正しいことが見えなくなっているということでしょう。相手が問題なのではなく、自分が問題であることに気付くことです。

金城学院大学では、教育の柱に「全人教育」という柱があります。人としての人格を育てて、真の人を育てるということです。その教育の基盤は、福音主義キリスト教の精神です。それが135年前の創立者から受け継がれてきた建学の精神です。言うまでもなく、人として生きていくためには、多くの知識を得ることが大切です。学問は深めれば深める程、人としての深みと広がりを持たせてくれます。そのために大いに教授陣から学んでください。そして自分自身を知り、内なる自分を磨き、人と共に生き、人のために働く、社会に様々な形で貢献する人となっていただきたいと願います。

金城学院に入学された皆さんには、毎年「あなたがたがわたしを選んだのではない。わたしがあなたがたを選んだ」というイエス・キリストの言葉を紹介しています。この言葉を聞いて、どうでしょう? 「そうかしら」と思うかもしれません。なぜなら、皆さんが、いろいろな大学のホームページや案内を確認しながら、考えて入学試験の準備をして来たのですから、皆さんの方がこの大学を選んだのだ、と考えるのが普通ですね。でもキリストは、本当は、私があなたがた一人一人を選んだのです、と言われるのです。

確かに皆さんは受験勉強をして合格して今ここにいます。でも同じように勉強しても、同じような成績でも、そして金城を選んでも、入学出来なかった人もいるのです。またこういう人もいるでしょう。本当は金城学院ではなくて、他の学校を選んでいたのに、そうではなくてこの大学に入ることになった、という人です。ということは、皆さんが選んだというより、何か大きな力が皆さんを選んで、ここに集めてくださったように思えるのですが、どうでしょうか?だとしたら、皆さんはどうして金城学院に入るように選ばれたのでしょうか? 先ほどの聖書の箇所を見てください。キリストはこう言われます。「あなたがたが出かけて行って実を結び、その実が残るようにと、またわたしの名によって父に願う者は何でも与えられるようにと、私があなたがたを任命したのである」

皆さんが選ばれたのは、実を結ぶため、そしてその実が残るため、また、父なる神があなたを導くため、と言われています。

神の選びは私たちが考える「選び」とは規準が違います。優れた完璧な人だけが選ばれる『選び』ではありません。神は、皆に命を与えて生かしておられる方であり、皆さん一人一人に、命と、その人にしかない個性と能力を与えて成長させようとしておられる方ですから、一人一人に最も良い生き方を考えて導いて行こうとしておられるのです。神は、その人の心の中まで全てを見ておられるのです。「全てを見ておられる」ということは、その人の生涯の全てをご存知の神さまが、今、その人にとって何が必要なのか、どのように成長させようかと考えて、一人一人を選んで、ふさわしい所で育て、導いていかれるということです。

さて皆さんは、今、神に選ばれて、この金城学院大学に入学しました。この学校で、自分を選ばれた神と向き合ってください。そして神はどうして自分を選ばれたのか、自分は何をするために(何になるために)この大学で勉強するのか、答えを求め続け、見出してください。

大学生になって、これまで以上に自分自身を創り上げることに関心を持って下さい。これからは、他の人に頼るのではなく、自分の意志でいろいろなことに挑戦して下さい。それが、自分をもっと豊かな人にしてくれることでしょう。

神が皆さんを導こうとされています。神に目を向けて力強く歩いて行って下さい。皆さんがどんなふうに成長して行かれるのか楽しみに期待しています。

 

在学生代表挨拶 学生会会長 岩田 ゆず

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。国際情報学部国際情報学科グローバルスタディーズコース4年岩田ゆずと申します。今年度も、こうして多くの新入生の皆さんを金城学院大学にお迎えできたことを心から嬉しく思います。

まず、皆さん。今の心境はいかがでしょうか。「入学できて嬉しい」という感情もあれば、「不安だな」という気持ちもあるかもしれません。例えば、友達、時間割、進路、いろいろ不安があると思います。でも、心配はいりません。金城学院大学には、皆さんの不安を解消する仕掛けがたくさんあります。

まず時間割。大学生は時間割を自分で組むのはご存じですか。もしご存知であれば、不安な方も多いかもしれませんが、心配はいりません。学科やコースの先輩、または先生が、皆さんの「わからない」を一緒に解消してくれます。もちろん、学科のみんなで時間割を組む時間がありますので、ご安心ください。ちなみに私も、一年生の頃は、先輩と先生をたくさん頼ってました。もし、それでもモヤモヤしたことがある場合は、本部棟3階「履修支援センター」に行くこともお勧めします。資格取得等で、時間割を組むときに疑問が生まれることもあると思います。ぜひ相談してみてください。

次は進路。「入学したてなのに進路なんて。」と思う方もいるかもしれませんが、心配な学生さんもいると思うので、お話しさせてください。もし、就活などに悩んだときは、まず「キャリア支援センター」を頼ってみてください。面接練習やPR書の作成などを手伝っていただけます。きめ細かく添削をしてもらえるので、自信にもつながります。少なくとも、三年生ごろには、ぜひ通い詰めてください。そして、キャリア開発の授業もあります。授業でも一年生の頃から少しずつ将来について考えていくチャンスがあります。ぜひ自分の将来のヒントを見つけてください。一年生の頃からアンテナを伸ばしておくと、将来役に立ちます。遠い未来の話、と思わずに、自分ごととして授業を受けてみてください。

最後に友達。これは不安な方が多いと思いますが、SNSで必死につながらなくても実は簡単に友達ってできます。なぜかというと、一年生は学科の子と一緒に、大人数で受ける授業が多いからです。ぜひ、お席が近くなった学生さんと仲を深めてくださいね。

また、大学といえば「サークル」です。金城学院大学は、クラブ・サークル活動が活発です。厳密にいうと、金城学院大学は部活、クラブ、サークルの三種類の呼び方がありますが、特に違いはなく、呼び方が違うだけです。総合してサークルだと思っていただければ結構です。

ちなみに、どんなサークルがあるかというと、たとえば、ラクロス、弓道、チアダンス、バトンに書道に煎茶。アクティブな運動部から、コツコツ伝統文化を学んでいくゆったりしたものまで、様々なものがあります。実は金城学院大学には、全部で約60個のサークルがあります。とても多いですが、迷ったら兼部も良いと思います。どんどん大学生活の輪を広げてください。もちろんサークルは「絶対入らなくてはいけない」というものではないですが、サークルの経験は就活でも自分が頑張ったこととしてお話しできますし、自分の「好き」や「可能性」を見つけるチャンスだと私は思います。ぜひ、自分に「ぴったり」のサークルを探してみたください。

ここまでは、皆さんの心配を解消するようなお話しをしてきましたが、少し厳しいお話もさせてください。
金城学院大学に限らず、大学は「自己責任の世界」でもあります。高校までと違い、課題や提出物を出し忘れていても、忠告してくれる人はいません。授業、バイト、サークルの兼ね合いを見て、計画を立てていくのは自分です。そんな時に皆さんを手助けするのが、「K-PORT」と「manaba」です。この「K-PORT」ですが、大学全体の重要な連絡が入るサイトですので、こまめにチェックするようにしてください。個人的には、大学内で使うメールアドレス、いわゆるK-mailアドレスにK-PORTの通知が届くように設定することをお勧めします。設定の方法がわからない方は先生などに聞いてみてください。

私から皆さんに一番伝えたいことは、「大学は自己責任の世界」なんて言われてしまうこともあるけれど、言い換えてみれば、大学は「やりたいことはなんでもできる」場所だということです。社会に出る前の、貴重な学生生活。ぜひ、自分の世界を広げていってください。ちなみに私は、これまでの3年間、自分のやりたいことをすべて、ひとつも余すことなく叶えてきました。これは胸を張って言えます。金城学院大学は、きっと皆さんをサポートし続けてくれると思います。安心して、皆さんらしく大学生活を送ってください。それをなにより私は願っています。

この「なんでもできる」の「なんでも」をサポートするのが、金城学院大学 学生会です。学生会とは中学・高校でいう生徒会です。中学・高校では、皆さんは「生徒」と呼ばれていましたが、大学では皆さんは「学生」と呼ばれます。ですので、生徒会が学生会と呼び方が変わったということです。今後大学生活を送っていると、いろいろな組織に出会うと思います。例えば、クラブサークルをまとめるサークル協議会や、生協のLiliumさんなど、そのすべてが学生会の中にあるイメージを持っていただければと思います。皆さんは学生会の一員ですので、身近な存在だと思っていただけると幸いです。

学生会は年に数回、講座やイベントを実施しています。2023年度までのイベントは、ラテアート、トルコランプ作り、ホテルで行うテーブルマナー講座など、学生の皆さんでも参加しやすい金額で参加ができます。基本的に日曜か長期休暇中など、参加しやすい日程を開催しています。講座の申し込みは、基本的に学内ポスターで参加者を募集していますので、見つけたらぜひチェックしてみてください。

お話しいたしましたのは、学生会会長 岩田ゆずです。ぜひ学内で見かけたら、気軽に声をかけてくださいね。いつでも大歓迎です。

それでは、皆さんのこれからの大学生活がかけがえのない素敵なものになるよう、心からお祈りしています。